建築士賠償責任補償制度
(けんばい)
~建築設計事務所の賠償資力確保および経営安定化のために~
2023年11月現在6,700以上の建築士会会員の事務所がご契約
ご説明動画ラインナップ
けんばい解説動画【基本補償編】
けんばい解説動画【オプション編】
けんばい解説動画【新規加入手続き編】
けんばい解説動画【更新加入手続き編】
特長とポイント
本保険の詳細
ニーズに合わせて色々な補償を選べます
1.業務の定義
日本国内において遂行する下記の業務が対象となります。
①設計業務 |
|
②法適合確認業務 | 構造設計1級建築士が行う構造設計に関する法適合確認業務または設備設計1級建築士が行う設備設計に関する法適合確認業務 |
①設計業務 |
|
②法適合確認業務 |
構造設計1級建築士が行う構造設計に関する法適合確認業務または設備設計1級建築士が行う設備設計に関する法適合確認業務 |
- 以下、①②を総称して「設計業務等」といいます。
③工事監理業務
オプション |
建築士法第2条8および平成三十一年国土交通省告示第98号別添一2「工事監理に関する標準業務」、及び「その他の標準業務」に定める業務をいいます |
③工事監理業務 オプション |
建築士法第2条8および平成三十一年国土交通省告示第98号別添一2「工事監理に関する標準業務」、及び「その他の標準業務」に定める業務をいいます |
- 「建築物」とは建築基準法第2条第1号に規定する建築物・その建築物に付属し物理的に一体をなしている工作物をいいます。(電気・ガス・給排水・換気・冷暖房・昇降機等を含みます。ただし、造園・舗装工事や擁壁などの工作物は、原則として対象外になります。)
- 「施工図」とは設計図書を実際に施工に移す場合に作成される図面(工作図、施工計画図等施工の方法・手段・手順・技術・安全計画等を示した図面を除きます。)をいいます。
- 「指示書」とは建築物が設計図書の設計意図どおり実現するように施工者に対して設計図書の補足を行う図面または文書をいいます。
- 従業員の行った設計業務等も対象になります。
製図工、事務社員など責任者のもとで勤務している従業員が行った設計業務等に起因して生じた事故もこの補償の対象となります。
ただし、建築士の資格を持たない従業員が行った「施工者への指示書および施工図承認書の作成業務(①設計業務イ.ウ.)」は対象になりません。
- 特定の設計業務等のみを対象とする契約はできません。
この補償制度は、国内で行われるすべての設計業務等を対象とする契約です。ある特定の設計業務等だけを対象とする契約はできません。
2.補償の対象となる条件は
- ①保険期間中に設計業務等に起因した事故が日本国内において発見されること
- ②保険期間中に発見された事故が保険期間開始前に遂行された設計業務等に起因する場合は、その設計業務等の遂行時※においても保険に加入しており、かつ事故が発見されるときまで切れ目なく保険契約が続いていること
- ③②の規定にかかわらず、初年度加入の保険期間開始前1年間は保険契約があったものとみなします。したがって、初年度加入前1年間に行った設計業務等にかかわる事故が発生した場合、その事故の発見時まで継続的にご加入が続いていれば補償の対象となります。
- 設計業務等の遂行時とは、被保険者が設計図書、指示書または施工図承認書を完成させ、発注者に引き渡した時をいいます。建物の引渡しではありません。なお、法適合確認業務については設計業務等を実施したときとなります。
〈基本補償(法適合確認業務を除く)〉
- この補償制度は、切れ目なくご加入を更新していることが必要になります。
途中でご加入が中断した場合は、中断後最初の保険期間開始前1年間の設計業務等からが補償の対象となります。 - 中途加入の場合も同様に、保険期間開始前1年間に遂行した設計業務等に起因する損害についても補償の対象となります。
- ただし、事故が保険期間開始後に発見されることが条件となります。補償制度加入前にすでに発見されていたものは補償の対象となりません。
〈基本補償(法適合確認業務を除く)〉
初年度加入について
初年度加入については「保険期間」「業務の遂行」「事故を発見した時」「支払い責任の有無」を図式化すると次の通りとなります。
3.主な補償の保険金お支払い方法
お支払いする保険金の額は、次の算式によって算出される額とします。ただし、ご契約に適用される支払限度額が限度となります。
(注)「法令基準未達補償」と「構造基準未達補償」は縮小支払割合80%のお支払いとなります。
基本補償
ただし、給排水衛生設備・電気設備・空調設備または遮音性能の機能上の不具合による事故については1事故につき500万円、保険期間中1,000万円が支払限度額となります。
法令基準未達補償 ・ 構造基準未達補償
この補償制度を継続してご加入いただいている間に、継続時に支払限度額を変更された場合は、①事故が発見された時に有効な支払限度額 ②設計図書・指示書・施工図承認書を完成させ、引き渡したときに有効な支払限度額 のいずれか低い金額で保険金をお支払いいたします。
工事監理業務補償
※①②以外の費用及び自己負担額(免責金額)、縮小支払割合は特約を付保した基本補償、法令基準未達補償、構造基準未達補償によります。
その他の補償につきましては、パンフレットの各補償ページをご参照ください。
加入プランを変更した場合の支払例
4.お支払いする保険金の種類
被保険者が負担する次の賠償金または費用に対して保険金をお支払いします。
- 賠償責任の承認または賠償金額の決定に際しましては、あらかじめ引受保険会社の同意が必要です。
- 施工図承認書の作成業務に起因する損害のうち、その業務の対象となった施工図の過誤に起因するものについては、法律の規定に基づき被保険者が被害者に対して行う賠償義務の弁済としての支出をいい、次の額を控除したものとします。
- 被保険者が施工者に対し損害の賠償を請求することができる金額
- 被保険者が弁済によって代位取得するものがある場合は、その価額
被保険者が法律上の損害賠償責任の解決のために、引受保険会社の書面による同意を得て支出した訴訟費用、弁護士報酬、仲裁、和解もしくは調停に要した費用等をお支払いします。
事故発生の後、損害の発生または拡大の防止および他人から損害賠償を受ける求償権の保全もしくは行使のために引受保険会社の書面による同意を得て支出した必要または有益な費用をお支払いします。
- 損害防止軽減費用とは、発生拡大が不可避の状況において、損害を防止軽減するために必要不可欠または有益な費用をいいます。
(例)飲食店改装の設計ミスにより厨房の造作材にボヤが発生し、店舗の損害拡大を防ぐために使用した消火薬剤の充填費など。従って、今後発生するかも知れない同種の現象(事故)を予防するための工事費用や検査費用等を補償するものではありません。
事故が発生し、被保険者が損害の防止軽減のために必要な手段を講じた後に賠償責任がないことが判明した場合において、応急手当、護送、その他の緊急措置に要した費用、および支出につき引受保険会社の書面による同意を得たその他の費用をお支払いします。
賠償責任保険普通保険約款第13条(1)の規定に基づき、引受保険会社が被保険者に代わって被害者による損害賠償請求の解決に当たる場合において、被保険者が引受保険会社の求めに応じて協力するために支出した費用をいいます。
- パンフレットP.7「1保険金をお支払いする場合」を満たさない損害賠償が含まれる場合は、それに相当する額を除きます。
5.保険金をお支払いできない主な場合
直接・間接を問わず、次の事由に起因する損害については、この保険の対象となりません。
- ①保険契約者・被保険者の故意
- ②日本国外に建築される建築物の設計業務等
- ③地震・噴火・洪水・津波または高潮、戦争・暴動・騒じょうまたは労働争議
- ④原子力事業者が所有・使用または管理する原子力施設の設計業務等
- ⑤展示会、博覧会または興行場等の仮設建築物の設計業務等
- ⑥顧客との特別の約定によって、加重された賠償責任
- ⑦建築主から提供された測量図・地質調査図などの資料の過誤
- ⑧建築物以外の工作物の設計に関する業務
- ⑨被保険者が、事故の発生することを予見しえた設計業務等
- ⑩建築物の瑕疵。ただし建築物に外形的かつ物理的な滅失または破損が発生している場合は除きます。
- ⑪サイバー攻撃
- 給排水衛生設備・電気設備・空調設備または遮音性能に関しての所定の技術基準を満たさず、本来の機能を著しく発揮できない場合の補償および設計業務の遂行に起因する第三者の身体障害を伴う場合の補償については建築物の外形的かつ物理的な滅失または破損の発生有無にかかわらず補償の対象となります。
- 法令基準未達補償と構造基準未達補償については、建築物の外形的かつ物理的な滅失または破損が無い場合でも補償の対象となります。
等
- 他にもサイバーリスクに備えるため「サイバーリスク補償」をご用意しております。
よくあるご質問
1.総売上高、年間設計・監理料、建物調査売上高に関するQ&A
Q1今年度はまだ決算が確定していないのでどの数字を捉えるのか?
A1最近(直近)で把握できる決算数値をもとにしてください。
Q2最近(直近)で把握できる決算数値については申込時に確認書類(損益計算書等)の添付は必要ですか。
A2確認書類の添付は不要です。ただし、加入依頼書に記入する総売上高、年間設計・監理料に間違いがないかを確認の上、建築士賠償責任保険保険料算出の基礎数字確認欄の確認印を押印してください。
Q3事務所の売上には設計料や監理料以外の売上もありますがこれを含めるのですか?
A3総売上高については設計料や監理料以外の売上も含めた数値をご申告ください。
年間設計・監理料については、設計料や監理料以外(たとえば、駐車場収入やコンサルタント料など)は除いてください。
Q4年によって決算数値が違うが一度契約したら毎年掛金は変わらないのか?
A4最近(直近)の決算数値により総売上高、年間設計・監理料をご申告いただきますので、毎年掛金は変わります。
来年の更新手続の際に、同じように最近(直近)の決算数値に基づき掛金を算出していただきます。
Q5総売上高、年間設計・監理料を少なくして掛金を支払っていた場合は?
A5事故があった時に保険会社から総売上高、年間設計・監理料の確認がある場合があります。
ご加入時に申告いただいた総売上高、年間設計・監理料に誤りがあった場合には、申告いただいた数値に基づく保険料と正しい数値に基づく保険料の割合によって、保険金を削減してお支払いすることとなります。なお、保険契約者または被保険者の故意または重過失によってご加入時に誤った申告がなされた場合は、ご加入が解除され、保険金が支払われないことがあります。
2.制度に関するQ&A
Q1事故が何度あっても支払限度額は減らないのか?
A1保険金の支払いがあった場合、支払った保険金の額が支払限度額から減じられます。
(除く建物調査遂行中の賠償責任補償、および建物調査遂行中の賠償)
Q2現在施工中のものも補償の要件に該当すれば対象となるのか?
A2設計図書、指示書または施工図承認書の完成・引渡しが保険開始日より1年前以降のものは対象となります。
Q3別の団体の運営する建築家賠償責任保険を解約し、建築士会の「けんばい」に新たに加入した場合、以前の補償期間を引き継ぐことはできますか?
A3従来は引き継ぎを認めていませんでしたが、平成23年4月1日保険始期契約より、条件付きではありますが引き継ぎが可能となります。ただし、10年間無事故である等の条件や掛金も異なりますので、事前に取扱代理店に必ずご照会ください。(詳細はパンフレット44ページの「他団体からの切替に関する特約条項」をご確認ください。)
Q4この保険の掛金は損金として処理できますか?
A4はい。掛金は全額損金処理できます。
Q5サイバーリスク補償 スタンダードプランと情報漏えい限定プランは、両方加入することができますか?
A5はい、加入できます。情報漏えいに起因する損害賠償部分は5,000万円限度(情報漏えい限定プラン)、情報漏えい限定プランで補償されないサイバーリスクに関する情報漏えい以外の事由に起因する損害賠償部分は1,000万円限度(スタンダードプラン)で補償されます。
なお、情報漏えい限定プランに加入せず、スタンダードプランにのみ加入する場合、情報漏えいに起因する損害部分が1,000万円限度で補償されます。
Q6設計・工事監理業務における設計成果物に関する応訴費用補償(弁護士費用補償)は、発注者から訴訟をされな
いと補償対象外ですか?
A6はい、設計契約の発注者より訴えられた場合に限り応訴費用等が補償対象となります。応訴費用には、委任弁護士への委任着手金、相談費用、報酬金が含まれます。
3.その他のQ&A
Q1建築士会に入っていないが、けんばいに加入できますか?
A1けんばいは公益社団法人日本建築士会連合会の会員様向けの補償制度となります。
会員へのご入会手続きも同時にお願いいたします。ご加入手続き後、会員様であるかの確認を取らせていただきます。
Q2けんばい事務所用と勤務けんばいとの違いは?
A2保険の補償受けられる主体が異なります。
けんばい事務所用は建築士会会員が経営または所属する事務所になります。
一方、勤務けんばいは、建築士会会員であり、建築士事務所に勤務または所属する建築士ということになります。
建築士事務所の代表者様は勤務けんばいに加入できませんのでご了承ください。
Q3加入者証を紛失してしまいました
A3WEBでご加入をされている加入者様は、けんばい加入者サイトにログインすることで、ご自身で加入者証の発行が可能です。加入依頼書(紙)でお手続きされた加入者様は取扱代理店(株式会社エイアイシー)までご連絡をお願いいたします。 ( 連絡先:03-6272-6206 メールアドレス:kenbai@aic-agt.co.jp)
Q4事故割増引きにかかわる支払事故って、どの業務での事故でしょうか?
A4設計・工事監理業務における基本補償、法令基準未達補償、構造基準未達補償の事故件数をカウントします。
(建物調査遂行中の賠償責任補償やサイバーリスク補償などその他の補償の事故については割増にかかる事故にカウントされません。)
また、過去の事故により割増の対象となるのは、設計業務における基本補償、法令基準未達補償、構造基準未達補償の保険料となります。工事監理業務における基本補償、法令基準未達補償、構造基準未達補償、その他サイバーリスク補償などのオプションの保険料については割増の対象とはなりません。
Q5他県に支店を出したのですが、支店名毎にけんばいに加入する必要がありますか?
A5法人格が同一であれば、売上高を統一されている本社でけんばいにご加入いただくと、各支店の業務も含め包括的に保険は有効になります。支店名毎にけんばいにご加入いただく必要はありません。
Q6専攻建築士であるが、CPD番号を登録できないのですが。
A6専攻領域が「統括設計」「構造設計」「設備設計」の場合に限り専攻建築士割引の適用となります。
それ以外の専攻領域の場合は、CPD番号が登録できません。
また、有効期限をご確認ください。有効期限を過ぎている場合も割引の対象となりません。
このサイトは、建築士賠償責任補償制度(けんばい)(建築家賠償責任保険、請負業者賠償責任保険、サイバーリスク保険)の概要についてご紹介したものです。ご加入にあたっては必ず添付の「建築士賠償責任保険制度(けんばい)」パンフレットをご覧ください。詳細は、保険会社よりご契約者である団体の代表者にお渡ししてあります保険約款によります。
保険会社破綻時の取扱い
引受保険会社の経営が破綻した場合等には、保険金、返れい金等の支払いが一定期間凍結されたり、金額が削減されることがあります。
なお、引受保険会社の経営が破綻し、ご契約者が個人、「小規模法人」(破綻時に常時使用する従業員等の数が20人以下の日本法人、外国法人(*))またはマンション管理組合である場合は、この保険は「損害保険契約者保護機構」の補償対象となり、保険金、返れい金等は原則として80%(破綻保険会社の支払停止から3か月間が経過するまでに発生した保険事故に係る保険金については100%)まで補償されます。
(※)保険契約者が個人等以外の者である保険契約であっても、その被保険者である個人等がその保険料を実質的に負担すべきこととされているもののうち、その被保険者に係る部分については、上記補償の対象となります。
(*)外国法人については、日本における営業所等が締結した契約に限ります。
この補償制度の引受保険会社は、東京海上日動を引受幹事保険会社とし、あいおいニッセイ同和損害保険・三井住友海上の3社です。各引受保険会社は分担割合に応じて連帯することなく単独別個に責任を負います。引受幹事保険会社は、他の引受保険会社を代理・代行して保険料を受領、保険証券の発行、保険金のお支払いその他の業務を行っております。なお、専門職についての特殊な補償制度のため、各保険会社の支店営業所では取り扱っておりません。この補償制度に関するご照会の回答は取扱代理店の(株)エイアイシーからとさせていただきます。
2024年1月作成 23T-002399
ご不明な点がある方やお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
- (公社)日本建築士会連合会事務局内 共済補償制度係
- 株式会社 エイアイシー
- Tel: 03-6272-6206 Mail: info@aic-agt.co.jp
- 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-3-8 麹町センタープレイス 2階 Fax. 03-6272-6209
上記にご照会いただいた補償制度内容・募集に関してのご質問についての回答は取扱代理店の(株)エイアイシーからとさせていただきます。
引受保険会社は各制度をご覧ください。